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zoom RSS 戦争ができる国をめざす 「つくる会」教科書NO!メールニュース 第8号

<<   作成日時 : 2007/07/17 19:59   >>

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 戦争ができる国をめざす 「つくる会」教科書NO!メールニュース
                     ◆第8号 発行2007年7月19日◆ 
 
      発行:「つくる会」教科書裁判支援ネットワーク事務局      
                 E-mail:iga@mue.biglobe.ne.jp(伊賀)   

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▼PDF版はこちら
http://www003.upp.so-net.ne.jp/eduosk/net-8.pdf

▼目次 
【緊急のお願い】裁判官の良心を放棄した「判決」にNO!

【1】杉並・教科書裁判 「忌避!」の声飛び交い、突然の結審

【2】愛媛「つくる会」教科書 “元祖・本人訴訟”の最終弁論
   ・開廷前に傍聴者もリラックス
   ・映像による説明、録音テープの公開は認められない
   ・原告たちの思い
   ・最終準備書面陳述

  【愛媛裁判の次回予定】
「つくる会」教科書採択取り消し訴訟 判決 
   8月28日午後4時半

【3】署名提出顛末記(大阪の会)

【とちぎ教科書裁判 次回期日】
2007年7月19日(木) 午後1:15〜30分間
宇都宮地裁302号法廷(JR宇都宮駅より4番バスで15分)

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▼内容 
【緊急のお願い】

裁判官の良心を放棄した「判決」にNO!
控訴にあたって「※ 補助参加人」のお願い

2007年5月22日、松山地裁の高橋裁判長らは、「採択審議の非公開は違法であ
る」との判断を回避し、私たちの訴えを却下(門前払い)し、法的にも状況証拠も破
綻している被告愛媛県教委の非公開理由を追認し、私たちが被る「非公開」による権
利侵害の「損害賠償」を棄却(否定)する判決を行いました。

県教委の示した非公開理由は、たとえば、2002年度の採択の際に、私たちが近寄
れない職員と警備員の人垣の警備体制下で「非公開」で採択審議を行いましたが、何
の権力を持たない私たちがやむにやまれぬ思いから選択した、炎天下の県庁前で行っ
た「戦争賛美の「つくる会」教科書だけは、子どもたちに渡せない!」とするリレー
ハンストや先の県内外らの要請行動等を「率直な意見交換」を阻害する「圧力」とし
ています。
つまり、「静謐な採択環境」を理由としているのです。これは、「御上に楯突くこと
はまかり成らん! 市民・県民は黙っておれ!」という封建時代さながらの「御上」
意識に外ならず、主権在民を謳う憲法を真っ向から否定するものです。

ところが、憲法の「番人」であるはずの高橋裁判長らは、自らの保身と栄達のために
行政権力である県教委に擦り寄り、県教委の非公開理由を追認し、被告らに「ベス
ト」となる判決を行いました。つまり、三権分立原則の司法の独立と法の番人として
の「裁判官の良心」を放棄しました。
私たちは、県教委の非公開採択審議もこの判決も到底認めることはできませんので、
高松高裁に6月1日に控訴しました。

そこで、この控訴において、新たにこの裁判の「※ 補助参加人」を広く募集するこ
とにしました。この裁判は、非公開の採択審議を差止める目的で急遽行ったため原告
を集める時間がありませんでしたので、原告は8名です。そんなわけで控訴に当たり
「不当な判決に対するNO!」の意思表示として、ぜひこの裁判の補助参加人に加
わっていただけませんか?

※補助参加(民訴法42条 訴訟の結果について利害関係を有する第三者は
当事者の一方を補助するため、その訴訟に参加することができる。)
手続き費用として500円(下記の口座に振り込みをお願いします)。

受付期間 8月20日
申し込み先  下記まで。メール・郵送・FAXいずれも可。

えひめ教科書裁判を支える会

〒799-1507 今治市東村1−3−8
Fax 0898-76-5040
Eメール zxvt29@dokidoki.ne.jp
郵便振込口座  教科書裁判を支える会 01610-4-31943

【1】杉並・教科書裁判 「忌避!」の声飛び交い、突然の結審

 2007年6月28日、杉並区の扶桑社版歴史教科書採択における公金の違法支出を訴える裁判の第3回口頭弁論が、東京地裁606法廷で開かれました。
 前回3月の第2回口頭弁論で、原告は争点を10項目以上出し、審理のための最初の材料が出そろったところ。30分の時間がとってある今回は、原告の主張に対する被告の反論、原告の再反論がぶつかり合い、第1ラウンドがやっと始まる、といった段階でした。両者の弁論が火花を散らし、今回以降、第2ラウンド、第3ラウンドと、反論を繰り返しながら、真実が明らかになっていくはずでした。
 ところが、原告側から被告の反論を求める主張や、証人喚問の申請、新たな事実(5月に扶桑社が「新しい歴史教科書をつくる会」と絶縁したこと)の出現などがあったにも関わらず、審理は突如、結審となりました。新しいパンチを次から次に繰り出す原告に対し、被告はジャブを1、2発打っただけ。突然、試合終了のゴングが鳴ったようなものです。
 当然、筆者を含む30名ほどの傍聴者はびっくり、原告はもっとびっくり。ゴング直前に終結を察した原告が、「忌避します!」「待って下さい!」「聞こえませんでした!」などの抗議の声があがる中、裁判官らはところどころ聞き取れない声で終結を告げると、そそくさと退廷していきました。6月1日の安倍裁判の時と全く同じ展開です。
 大門裁判長は、5月に世田谷区の婚外子差別訴訟で原告の不利益を認め住民票を作成するようにとの判決を出し、原告側に実質勝訴の判決をもたらした裁判長。しかし、本件においては、逃げるように身をかがめ、法廷を後にする大門裁判長の後ろ姿に、筆者は失望を隠せません。やっと争点が定まり、これから真実を明らかにしていくべき、このタイミングでの結審は、姑息としか言いようがなく、三権分立とは名ばかり、真実が闇に葬られる瞬間を目の当たりにする思いがしました。

【第3回口頭弁論の詳細】

 法廷には、原告8名、被告代理人3名、書記官2名、および傍聴人30名ほど。大門匡裁判長ほか裁判官2名が入廷し席につくと、原告の1人が立ち上がり「大門裁判長は、先日、世田谷区の婚外子差別訴訟で、原告に住民票を出しなさいという判決をお出しになりました。とてもいい判決を出してくださって、私たちも喜んでいます。期待しています」と述べました。大門裁判長は「これはまた別の事件ですので」とかわし、開廷を告げました。原告の女性が「テープの録音を認めてください」と頼みました、裁判長はいつもと同じように「できません」と答えました。
 裁判長は、まず被告である杉並区が原告の主張に対する反論の準備書面を提出していることを告げ「陳述しますね」と述べました。被告代理人は「はい、陳述します」と答えました。次に裁判長は、原告側に書類上の訂正事項の確認をした後「原告からは、今回もたくさん出ています。全部で24番から36番までの13通です」とし、大きく分けると、民訴法の解釈や「つくる会」と扶桑社の絶縁などの新しい主張が5通、残り2通が裁判の進行などに関する意見と整理できるとの簡単な説明があり「後に陳述で扱わせていただきます」と述べました。
 また、原告側に新しく補助参加人が加わって意見書が出されていることが伝えられました。次いで裁判長は、原告と被告の証拠整理を始め、欠番などの番号の確認のほか、原告から9名の証人喚問の申請が出ていることが知らされました。裁判長は、それらの証拠の認否を原告被告に確認し、両者とも認めました。

報告書の評価をネグレクトしても「参考にした」といえるのか
 次に、裁判長が原告に陳述を求めると、原告は口頭で陳述をしたいと述べ「要領よくご説明をお願いします」と述べました。今回補助参加人となった年配の男性が立ち上がり、被告の準備書面に対する反論意見を述べました。被告である杉並区は、「扶桑社の教科書は、教科書調査委員会の報告書において、評価が最も低いものではない」とし、「教科書は単純なプラスマイナスでは評価できない」と主張しており、その根拠は「教育委員は報告書を参考にして独自の判断で採択できる」という採択規則の一点です。この主張に対する反論でした。
 男性は、とつとつとした語り口で、教科書調査委員会の報告書の評価を否定する論議ばかりを展開した杉並区教育委員会は報告書を「参考にした」といえるのか、と問いかけました。報告書は各学校の評価や区民意見及び独自の調査を総合的にまとめたものです。「採択後のNHK『クローズアップ現代』でも報道されたように、学校からの評価において、扶桑社は最も低かった。区民その他の意見でも扶桑社の教科書に対するマイナス評価は非常に多かったにもかかわらず、採択においてはそれが全く受け止められていません。杉並区の適正かつ公正なの採択という基本方針に基づくなら、学校や区民の総合評価である報告書は尊重されなければならなかったはずです。しかし、採択の2回の教育委員会において委員らは、報告書の評価を否定することに審議の大半を費やしています。活かすのではなく、殺すことに終始しているのです。このような審議は、とうてい適正かつ公正な採択とはいえません」と述べました。

版元が責任放棄した教科書を杉並区の中学生は使っている
 次に女性の原告が、最近発表された扶桑社と「つくる会」の絶縁、及び教育委員会の事前協議について陳述しました。扶桑社はこの5月31日、「つくる会」との関係を絶ち、別法人で教科書を制作することを発表しました。扶桑社側が絶縁の理由として「内容があまりに右寄りすぎる」などと述べていることから、女性は「発行元が内容に問題があると認めているような教科書を採択した杉並区の責任」を厳しく糾弾し、裁判長に真実の究明を求めました。また、このような欠陥教科書を採択するために、教育委員会は密かに事前協議を行ったと主張し、証人喚問を要請しました。

杉並区は裁量権があれば何でもできる?
 3番目に陳述した男性の原告は、教育委員会開催時に杉並区が雇った臨時警備が随意契約手続きに違反しているという主張を、被告の反論に対する再反論として陳述しました。「被告ら準備書面による随意契約適法の主張は新たな証拠も無く、裁量というあいまいな論点に終始するのみで、具体的な基準も無く、根拠となるものが提示できていない。裁量権があれば、何でもできるのか。この程度で随意契約ができるならば、税金はどうにでも使われてしまう。襟を正し、納税者国民に顔を向けた裁判長の発奮を促したい。裁判長は、被告らに裁量の具体的な論拠を出すよう指示されたい」と述べました。
 男性は、被告らが反論を裏づける証拠提出をしていないこと、判例をあげていてもその判例を証拠として添付せず、都合のよい解釈を展開していることを挙げ、その怠慢を裁判長に正してほしいと求めました。

突然の終結。裁判官ら「忌避!」の声を背に逃げるように退廷
 原告3名の口頭陳述が終わると、大門裁判長は、原告の方を向き「言いたいことはそれだけですか」と尋ねました。原告は重ねて、被告が出してきた反論は前回の原告側準備書面に対する反論にはなっておらず、証拠もなく、答弁書のレベルの繰り返しにすぎないと述べ、裁判所から被告にもっときちんとした反論を出すように命令してほしいこと、また、進行協議について準備書面を出しているので、この場で取り上げてほしいことを述べました。
 裁判長はまた「言いたいことはそれだけですか」と尋ね、しばしの沈黙の後、原告の一人が「はい」と答えると、裁判長は、「準備書面24〜34が本件の主張ですね。35は進行協議についてですが、別の機会に対応します。36は弁論調書への異議申し立てです。被告は、さらに主張・立証の意向はありますか」と今度は、被告のほうを向きました。被告代理人は、「これ以上、主張・立証はありません。本件の速やかな結審を求めます」と答えました。
 つづいて裁判長は、書類に目を落とすと、ところどころ聞き取れない声で「では、本件は……これをもちまして……終結とし、……判決を8月……」と言うと、席を立つではありませんか。「これをもちまして」のあたりから、原告側から「ちょっと待って下さい!」「忌避します!」「聞こえません!」などの声が上がりました。
 身をかがめ逃げるように退廷する裁判官の背中に向かって「忌避!」「忌避です!」の声が飛び交い、原告は総立ちになり、「どういうことですか!」「まだ、何も審理してないじゃないか!」「悪意に満ちています!」など怒りの声が上がり、泣き出す原告もいました。被告側は、そんな騒ぎをよそにそそくさと席を立ち帰り支度を始めます。原告側からは「あなたたちは恥ずかしくないんですか!」「真実を明らかにしてください!」「子供たちの命がかかってるんですよ!」の声が飛びました。「終結を求めます」と言った被告代理人は、なぜか赤い顔をして、歪んだ面持ちで退廷していきました。

忌避が先か、終結が先かの水掛け論。録音してさえいれば
 法廷には書記官が残っていましたが、原告側が、「忌避の申立は終結前だから、その扱いになりますよね」と念押ししたところ、書記官が「いえ、終結後です」と言ったので、また事態は紛糾。忌避の申立が終結の前か後かで押し問答が始まりました。裁判では録音が禁じられ、書記官は速記もしていません。原告と傍聴者から「だから録音していないと、こういう時に困るじゃないか!」と、さらなる怒りの声が上がり、筆者も「ごもっとも」と思いました。
 先日の安倍裁判の時と同じことが起こりつつありました。原告らは傍聴席に座り、書記官との水掛け論争を続けました。傍聴人の1人が「忌避の申立は、終結の前でした。私たちが聞いていたのだから証人になります」と申し出、署名が集められました。

またもや強制退去?!粘る原告の思いは届くのか
  そのうち腕章をつけた裁判所の職員が二人やってきて、「退廷してください」と言いに来ました。また強制退去になるのか、と筆者は固唾を飲んでいましたが、前回より穏やかなムードが漂い、書記官・職員対原告・傍聴人の話し合いが続きました。
 ある原告は、自分は自分のためにこの裁判をやったのではない、裁判所職員の子どもたち、孫たちを含む子どもたちのためにやったのだ、それなのにこの対応はひどすぎると訴えました。若い書記官に対して、あなたにも良心があるだろうから、弁論調書にはありのままを書いてほしいと頼む者もいました。しかし書記官は固い表情で自分にはその権限がないと答えました。また「裁判とは関係なく、せっかく知り合ったのだから言いたい」として、憲法を改正し戦争のできる国になろうとしているこの状態をどう思っているのか、あなたやあなたの子どもが戦争に行くことになるのだと話しかける原告もいました。みんなが一生懸命に裁判所職員に訴えました。しかし、職員は一切聞く耳を持ちませんでした。
 1時間以上が経過し、1時15分になると、次の法廷になりました。大門裁判長らが入廷した途端、傍聴席から一人の女性が「忌避します!」と叫びました。その法廷は全く別の訴訟の判決申し渡しだったので、その訴訟の原告と被告はびっくりしたと思いますが、顔には表れていませんでした。開廷してからは、傍聴席は沈黙していましたが、裁判官らが退廷する時、また傍聴席から「忌避します!」「裁判は終わってません!」「教科書から戦争になっていくんですよ!」「あなたたちは戦争犯罪人だ!」などの声があがりました。
 それら悲痛な叫びには振り向きもせず、裁判官らは冷然と退廷していきました。陪席が空っぽになると、原告らはしばらく茫然としていましたが、力なく立ち上がり、法廷を後にしました。

裁判の後で
 裁判の後、傍聴人の1人は「人事権を握られた操り人形を相手に、法廷芝居を演じているような非現実感を覚えた」と感想を述べていました。また原告からは「裁判長の問いに、被告代理人が『結審を求めます』と答える。その『あうん』の呼吸をきっかけに、『それでは終結します』と来たわけです。初めから明らかに決めていた進行でしょう」という意見や、「住民訴訟ですから、具体的な証拠もあるわけで、貧弱な被告の主張、証拠で被告を勝たせる判決理由をどうするんでしょうね」といった話が出ていました。

 税金の使い方をめぐる今回の訴訟。随意契約の違法性などかなり具体的な事項が争点になっていただけに、司法側の消極的な姿勢は、問題が多いように感じます。官製談合や公金支出の不透明がメディアをにぎわす今こそ、こうした裁判を通じて、徹底して審理を尽くし、官に襟を正させる役割が、司法にはあるのではないでしょうか。裁判官は、法の番人といわれます。彼らが果たして何の番人になっているのか、筆者の目には黒の法衣が揺らぎ、もはやかすんで見えてくるのでした。
(しみずえいこ) JANJANより転載

【2】愛媛「つくる会」教科書 “元祖・本人訴訟”の最終弁論

6月19日午後3時から松山地方裁判所で、「つくる会」教科書採択取り消し訴訟の最終弁論がありました。愛媛では2001年の採択後から今まで、約20件の裁判を起こしました。弁護士の引き受け手がなく、やむなく本人訴訟で始めましたが、見るに見かねて香川県高松市在住の生田暉雄弁護士が協力して下さり、現在は本人訴訟原告5人と全国及び中国・韓国などの原告の代理人である生田弁護士との共同原告で行っています。生田弁護士はこの裁判の体験から「主権実現の手段としての裁判」を提唱しています(関連記事:主権の実現は“等身大”の裁判で〜日本は裁判“後進国”)。
松山地方裁判所 筆者は愛媛の裁判を傍聴し、「百聞は一見にしかず」でその面白さのとりことなり、今、東京都杉並区で同様の裁判を行っています。今回は筆者も原告として2回意見陳述した裁判の最終弁論。取るものもとりあえず駆けつけました。
 松山地裁には日本庭園風の庭があり、法廷には広い窓があって、緑が鮮やかです。なんとウグイスも鳴いているというのどかさで、東京地裁とは大違いです。荷物検査もありません。口頭弁論の時間は毎回1時間取ってくれています。しかし裁判官は残念なことにやはり(上の顔色ばかりうかがう)「ヒラメ」です。

開廷前に傍聴者もリラックス
 さて、最終弁論の様子をご報告します。始まる前に原告のOさんが傍聴者に対して今日の裁判の説明を行いました。裁判所職員からは「拍手しないように。大声を出さないように」という注意がありましたが、愛媛らしく、傍聴者が「約束できんよ」と言っていました。Oさんが話し始め、最終弁論にあたって映像を使って説明したいと要望。書記官は努力してくれたが、裁判官の独断で拒否されたとの報告がありました。ドイツの裁判所は市民が参加しやすいように配慮しているのに対し、日本の裁判所は閉鎖的であるそうです。Oさんのお話で傍聴席にはリラックスした雰囲気が満ち、筆者は「これで裁判所の注意は守られないだろうな」と思いました(元々守られるはずもないのですが)。

映像による説明、録音テープの公開は認められない
 裁判官が入廷し、事務職員が「起立願います」と言っても、本人訴訟原告は起立しません。裁判官と主権者は対等であるからです。裁判が始まるとすぐにOさんから、映像による説明がなぜだめなのかについて、根拠を問いただす発言がありました。裁判長は言い逃れに終始し、法的根拠を示すことができませんでした。左陪席の若い裁判官が民訴法150条の訴訟指揮は裁判官が行うという条文を、裁判長に見せていましたが、それはなぜ映像による説明がだめなのかの根拠ではありません。Oさんはまた、裁判所が開かれているかどうかが判決に結びつく1つの要素であり、公正な裁判のためには録音テープの公開が欠かせないことも訴えましたが、裁判長は「録音テープは書記官個人のもので、調書ができあがれば消去するものだ」と述べました。
 さらに原告は教科書採択手続が非常に複雑なもので、裁判官に分かってもらうために自分たちは映像による説明をサービスするのだ、認めないなら、教科書採択手続が分かっているかどうかテストをしてもいいかと聞きましたが、裁判長は最後まで認めませんでした。

原告たちの思い
 結局原告は「ぬかにクギ」であるとし、内容に入りました。初めに筆者が6月1日の安倍裁判における強制退去について述べ(関連記事:強制退去〜「杉並の不当な教科書採択取り消し裁判」第3回口頭弁論)、日本はすでに法治国家でも民主主義国家でもなく、現在は「戦時中」であること、子どもたちの命を守るために裁判官は大人としての責任を果たしてもらいたい、それは公正な裁判を行うことであると訴えました。傍聴席からは大きな拍手が沸き起こり、裁判長はそれを制止することができませんでした。
 それから原告のYさんが、「つくる会」と扶桑社の絶縁に触れ、発行元である扶桑社自らが「右翼的」とした教科書をベストとし、それを強引に採択した加戸愛媛県知事を追及しました。そしてこのような欠陥教科書を採択した教育委員会は、この教科書を使用させられている子どもたちに対する責任があると述べ、自分はアジア太平洋戦争に対して、なぜその時の大人は止めなかったのかと思ったが、今そうなっている、裁判官は公正な裁判をお願いしたいと訴えました。またもや大きな拍手が沸き起こり、裁判長は制止しませんでした。この後、原告のすべての発言に拍手がありましたので、いちいち述べることはしません。
 次にMさんが、最近判決が出たもう1つの裁判で、「まず判決ありき」だったことを述べ、裁判所の意義がなくなり、裁判所の存在そのものが危うくなっていると指摘しました。Mさんは最後に「裁判所、頑張ってください」と裁判官を励ましました。
 Tさんは、現在は企業の会議でもどこでも、ビジュアルなプレゼンテーションがされており、録画・録音され、活用されていくことは当然となっているのに、裁判所だけが旧態依然としている、高橋さん(裁判長)自らこれを打ち破って、先駆者となってほしいと述べました。
 Nさんは小泉前首相の就任直後までハンセン病患者差別は当たり前で、司法も一緒になって患者の訴えを抑える役割を果たしていたことを指摘。3人の裁判官は早く1時間が過ぎないか位しか考えていないのだろうと厳しく詰め寄りました。そして法律家の職業病として、先例がないと一歩も前に進めない臆病さ、時代や社会の生の現実に対する無知、不勉強を挙げ、原告らが今こもごも発言したことを、裁判への国民の期待として受け止め、心があるなら考えてほしいと訴えました。前回の(別の裁判の)判決で「どうせ裁判所はこういうところなんだよ」と言ってくれたが、私たちはあきらめない。愛媛県教育委員会は全国に名だたるひどい組織であるので、少しでもブレーキをかける判断をお願いしたいと述べました。

最終準備書面陳述
 それからOさんが最終準備書面の要旨を陳述しました。
 まず、裁判官に対して、日本国憲法は絶大な公権力(国)を法でしばることによって、人々の人権や自由、平和のうちに生きる権利などを保障するもので(立憲主義)、憲法76条3項の定めに基づき、裁判官は憲法を守る番人として良心に従い、公正な裁判を行う責務を課せられていると述べました。それから、教科書裁判の家永三郎さんが76条3項の「すべて裁判官はその良心に従い」の意味は、積極的に良心的な裁判をすることであると述べていることに触れ、一人ひとりの裁判官が本来心の片隅に残っているはずの良心を目覚めさせて、便宜的・恣意的な法律解釈をせずに原点に立ち返った判断をするよう求めました。
 次に本件訴訟の意義として、侵略戦争の反省から生まれた教育への国の介入の排除という教育基本法第10条の理念から、本件を理解する必要があると述べました。戦後の教育改革も、1956年に教育委員の公選制が廃止され、教育委員は知事の意向が反映する人事となり、形骸化、その中で加戸知事は「つくる会」教科書がベストだという発言をし、大きな圧力を加えたのです。
 Oさんは教科書採択制度とは国が買う物(教科書)を決める公共入札であり、国と教育委員会が共同で当たる「採択」は処分行為に該当し、採択は落札行為に該当すると述べました。このことを理解すれば、加戸知事の発言は独禁法違反であり、公正確保義務違反となります。「つくる会」教科書は現場での評判の悪い、間違いの多い、他国を誹謗している教科書であり、こんな欠陥商品を採択するためには様々な画策が行われたのです。知事の圧力の下、県教委が画策し、全国でほとんど採択されていない評価の低い教科書を全会一致で採択するという異常事態となってしまった、それは加戸知事に任命された教育委員が会議を非公開で行い、不透明にし、数々の違法を重ねてやっとできたことなのです。このような違法行為を重ねて採択された教科書を誰が使うのか? 使うのは子どもたちである。裁判官は澄んだ目で判断してほしいと訴えました。
 次に生田弁護士が最近の行政事件訴訟法改正の趣旨は、行政をチェックしなければならない、訴えの門をひろげようという意味である。原告らはそれに則ってやってきた、改正法は原告適格、被告適格、処分性も枠が広げられている。以前とは異なる裁判を期待していると述べました。
 最後にOさんは高橋さん(裁判長)への言葉として以下のようなことを述べました。
 自分は天理教の幹部の家に生まれ、天理教徒として戦争に協力した親を問い詰めてきた。宗教家というものは葬儀とかかわる機会が多く、父について病院に見舞いにもよく行った。死を直前にすると、人間というものは自分の人生を振り返り、良心が顔を出すものだ。その場でうろたえる人も何人も見てきた。高橋さんもそう長くはない。そのような最期を迎えないためにもがんばってほしい。あなたの良心が試されている。今の司法では厳しいが期待します。
 そして裁判長が口頭弁論は終結するとし、判決言い渡しは8月28日午後4時半に行うということで、閉廷されました。

(渡辺容子)JANJANより転載

【愛媛裁判の次回予定】
「つくる会」教科書採択取り消し訴訟 判決 
   8月28日午後4時半

【3】署名提出顛末記(大阪の会)

「4/21 どうなる 日本の教育? 教育基本法「改正」後の動き」集会(主催:大阪の会)での「えひめ教科書裁判」署名支援呼びかけを皮切りに、皆さんで集めた300人ほどの署名を携えて松山地裁に向かいました。
 18日の早朝に松山駅に到着。路面電車に飛び乗り一路、道後温泉「神の湯」へ。流石に天下の名湯といえども、朝の一番では客も少ない。天井からポタリと雫が落ちる湯船に浸かりながら「この極楽は何度目かな〜」と思いました。
「坊ちゃん泳ぐべからず」の木札がおもしろい。小説『坊ちゃん』の結末はどうだったのかはっきりしません。でも、確かNHKだったと思いますが、結城しのぶさんがマドンナ役をやっていたドラマでは出来の悪い生徒たちの最後は、日露戦争(?)で吶喊する場面でした。先生達はどうなったのでしょうか?
2階の大広間に戻り、お茶を飲みながら、すだれ越しに流れる初夏の風を追いかけると
「一六タルト」の看板が目に入りました。「タルト」の語源は「タル」(韓国語で“月”)かと思いました。松山市は韓国のピョンテク市とも交流が深く、直行便もあるとのこと。この教科書裁判にも韓国から原告として約700人が参加している。「歴史は科学」だとする韓国の教科書に比べ、作る会の教科書は「歴史は大きな物語」だと云う。今回の改正教育基本法でさらに質の悪いテキストができるだろう。これを追求できない日本の社会科学も哀れだが、「坊ちゃん」の時代から進化していない今の学校も悲しい。ガンバレ! 平成の先生たち。
 そうこうしているうちに原告団の山中さん、奥村さんと合流。今回は署名提出だけだったので、時間もあり、提出の準備をしつつ色々と話もはずみました。特にひどかったのは生田弁護士への地方の弁護士会が警察がらみの事件を使った政治弾圧。このでっち上げ弾圧事件を小説にしたら今年のノンフィクション部門でベストセラーものだと思いました。
 その後、3人で地裁に向かいました。受け取り拒否とか、高橋正裁判長まで届かないのではと心配しましたが、お二方が付き添って頂いたおかげで「明日の最終弁論はこの300人の方々が傍聴をしているのだと裁判長にお伝え下さい」との一言を添えて、無事提出を終えました。 明日の19日には、東京からも署名提出があるとのことでした。
教科書裁判をご支援の皆様。署名をしていただいた皆様。本当にありがとうございました。そして、愛媛の皆様、ご苦労様でした。
今後とも、様々なアイディアと東アジア民衆の団結と協力で愛媛、東京、大田原の教科書裁判を支援し、扶桑社の新たな教科書策動、歴史改ざん許さない闘いを創っていきましょう。

【とちぎ教科書裁判 次回期日】
2007年7月19日(木) 午後1:15〜30分間
宇都宮地裁302号法廷(JR宇都宮駅より4番バスで15分)

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▼3裁判へのカンパのお願い
○とちぎ教科書裁判を支援する会
  郵便口座:00130−6−611733 「とちぎ教科書裁判を支援する会」
○杉並の不当な教科書採択取り消し裁判の会
  郵便口座:00190−4−372466 「杉並の不当な教科書採択取り消
し裁判の会」
○愛媛の教科書裁判を支える会
  郵便口座:01610−4−31943 「教科書裁判を支える会」

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